売春婦上がりの独り言
サラ・ハーディング
彼女はクレアとは真逆の意味で曲者だ
自身の意思かは知らないが記憶を消去し、精神が崩壊するほどの酷い目にあったらしい。それがなんなのかはサラがその当時の記憶を思い出せないので結局謎のままだったが、とにかく虐待の要素を持つ何かだという事は私の大雑把な思考でも分かる
感情や衝動に忠実で饒舌なクレアとは対照的に、サラは基本的に控えめで無口。もし用事があって話しかけることがあっても病院を作り替えた住居に先にいたのは私達だったのだという理由で敬語で接し、クレアが狼狽したりするような難しい言葉も平気で使ったし、どういうわけか気配を隠すのが無駄にうまい人間でもあった
もう何なのと思わせる発言は少なくない。丁寧さがかえって無礼に映るいわゆる慇懃無礼ってやつかもしんない。それでも感情という火の灯らないその目に感情というものを教えてやりたい、サラの笑顔が見たいと思うのはただのお節介なんだろうか
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